学術のイベント

高校生参加・大学(院)生企画「SDGsのその先をアカデミックに探究しよう!」を開催しました。

2024年8月3~5日にかけて、「SDGsのその先をアカデミックに探究しよう!」を開催しました。この企画は、高校生が、大学院生・大学生のサポートのもと、探究活動の基礎を実際に経験しながら身につけるとともに、そのなかでSDGsのこれまでの歩みを批判的に問い直し、これからの社会のあり様を構想しながら自分たちには何ができるかを考える、というものです。大阪大学の大学院生・大学生3名(人間科学研究科・高木琳太郎、理学部・入江志保、人間科学部・臼田和哉)が教員の指導助言を受けながら企画立案し、企画内容に賛同した3名の大学院生・大学生(人間科学研究科・阪戸斗羽、人間科学部・中村晃輔、文学部・浜川日菜子)がサポーターとして参加しました。

第1回(2024年度)は、大阪府立天王寺高校と高津高校から19名の高校生が参加しました

1日目(8月3日):①高校生が4つのグループに分かれ、それぞれ、SDGsが提唱されるに至った歴史的な経緯や社会的な背景を調査しました。その調査結果に基づいて、SDGsの17の目標とそれぞれの目標に挙げられている項目について批判的に検証しました。

2日目(8月4日)は、それぞれのグループの議論の内容を全員で報告・共有した後、互いのよいところに学びながら、またグループに分かれ、SDGsについてさらに批判的な検証と思考を進めました。その際、次の4つのポイントを重視しました。

①理念的・抽象的でなく、現実的・具体的な目標・項目になっているか(実際の行動に結びつくようになっているかどうか)。

②目標・項目は「誰が」「誰に向けて」発信しているのか、「誰にとって」意味のあるものになっているのか。それらが明確になるよう、目標・項目の文章に主語や直接・間接目的語を適宜、挿入する。

③1つの目標のなかで項目どうしがどう関連しているか、また、17の目標どうしがどう関連しているか(もしかしたら、相互に矛盾していないかどうか)を検証する。

④自分たちにできるSDGsを作成する。その際、日常生活のなかで一人ひとりが取り組めるもの、国・自治体などの関連機関・団体に一人ひとりがしっかり提言・要求していくべきものとに分けて考える。

この日の終盤では、グループで議論した内容を別のグループに対して発表し、意見や質問をしてもらいました。この時、発表・質疑応答がアカデミックになるように努めました。他のグループからもらった意見や質問を手掛かりにして、3日目はさらに議論を深めていきます。

3日目(8月5日)の午前中は、大阪大学の総合図書館ツアーをしました。全館内を見学しながら、実際にOPACで課題図書を探したり、書庫のなかで背より高い大きな本棚を電動や手動で移動させたりしました。また、J-Stageなどの論文検索エンジンを活用して、先行研究を検索することも体験しました。

午後は、3日間の調査・議論・考察の成果を「いのちの声」としてまとめました(このページの最下部に掲載しています)。この「いのちの声」は、大阪大学が関西経済3団体とともに発起し、企業、政府・自治体、NPO・NGOや国内外の他大学などとも連携しながら推進している「いのち会議」に届けられました。近日中に、社会に向けて発信されます。最後は、みんなで「S」のサインを決めて終了しました。後日、下に掲載されている受講修了証が一人ひとりに届けられることになっています。

高校生のみなさん、3日間ありがとうございました! 高校生のみなさんにとっても意味のある充実した3日間であったことを祈ります。

高校生のみなさんが作成した「いのちの声」です。

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