2023年10月11日から、院生たちと「詩をよむ会」を始めました。
第1回は、「生きる」(谷川俊太郎 1971)、「沈黙の部屋」(谷川俊太郎 1962)、「『木の船』のための素描」(入沢康夫 1970)を読みました。
第2回(2023年10月18日)は、「薄明について」(安東次男 1950)、「みぞれ」(安東次男 1960)、「藤原宮址にて」(安東次男 1970)を読みました。
第3回(2023年10月25日)は、「夜の海」と題された9首の短歌(工藤玲音 2021)、「あの」(藤富保男)、「夕暮」(谷川俊太郎 1955)、「花々」(安東次男 1950)、「ゆきてかへらぬ」(中原中也 1937)を読みました。
第4回(2023年11月1日)は、11首の短歌(工藤玲音 2021)、「うしろで何か」(松井啓子 1980)、「じゃがいものそうだん」(石原吉郎 1979)を読みました。
第5回(2023年11月8日)は、「危険信号」(安東次男 1950)、「詩人の墓」および「『詩人の墓』へのエピタフ」(谷川俊太郎 2009)を読みました。
第6回(2023年11月15日)は、6首の短歌(工藤玲音 2021 東日本大震災にかかわるだろう短歌)、「変則的な散歩」(谷川俊太郎 1962)、「burst 花ひらく」(吉野弘)、「雲について」(吉野弘)を読みました。他に、金時鐘氏が大阪コリアンタウン歴史資料館の「共生の碑」に献じた詩の直筆レプリカも読み、そして見ました。『もこ もこ もこ』(谷川俊太郎 1977)の絵本も、本日は黙読しました。近日中に、声を出して詠むことになっています。
第7回(2023年11月22日)は、2007年から2008年に日本各地で開催された展覧会「絵で読む宮沢賢治展―賢治と絵本原画の世界」のカタログを観たり、読んだりしました。また、「漢字喜遊曲」「王と正と武」など、漢字遊びを主題とする吉野弘の詩のなかで、参加者それぞれが好きなものをいくつか読みました。
第8回(2024年1月24日)、しばらくの間、メンバーが学位論文執筆でいそがしかったのでお休みしていたのですが、久々に詩を読みました。本日は、「まつおかさんの家」(辻 征夫 1987)を読みました。
第9回(2024年3月16日)、少し春めいてきたので詩を読む気分が再生してきました。本日は、「色即是空、空即是色」の解釈について、新井満『自由訳 般若心経』(朝日新聞社 2005)と金子大栄『歎異抄領解』(全人社 1949)に照らしながら、議論しました。前者のわかりやすくも深い解釈に、思考をさまざまに揺り動かされ、さらに後者の「花びらは散る。花は散らない。」という詩的な響きに、しばし心うたれ、絶句しました。