研究の進め方
本研究室では、「公の場で」「自分の言葉で」「他者とともに」教育を語ることを目標に研究を進めています。主な研究の進め方は、教育思想/哲学思想のテキストクリティークや教育現場でのフィールドワークなど、それぞれに合った手法による学びと、コロキウムなどの場における仲間との対話を通した学びの2つです。前者の手法については、教員と話し合って研究を進めながら、一人ひとりに適したものを探していきます。後者の仲間との対話では、対話のなかで気づく多様な視点を通し、自分の考えを深めていきます。
この2つの学びを繰り返すなかで、公の場で通じる、かつ自分自身にとっても意味のある教育観を形づくり、あるいは、そのように従来の教育観を批判的に捉え直して、自分の言葉で教育を語れるようになることをめざします。
過去の研究テーマ
学部
〈卒業論文の目標〉 ①一本の筋の通った論文を書く。 ②これこそが「自分の論文」だと思える主題・内容を展開する。(可能なら、③従来の自分の考え方・ものの観方を批判できる。)
※質問紙調査と実験はできません。
2023年度
- ジョン・ロックにおける不安との向き合い方に関する考察
- 生きる経験に繋がる大学教養教育の在り方に関する考察
- 中等教育歴史科目で涵養すべき歴史的思考力に関する考察
- 今日の若者におけるアイデンティティ概念のゆるやかさに関する考察
- 若者におけるソーシャル・メディア アルゴリズム の可能性と課題に関する一考察
- 自閉症の子ども達に対する日本のインクルーシブ教育の現状と課題
- 舞台演技の手応えとその逆説的構造
- 20 代から30 代前半の若者の結婚観に関する一考察
- 日本における地域スポーツクラブの可能性と課題
2022年度
- 学校組織の官僚制に関する批判的考察
2021年度
- ポストモダン時代の性格心理学研究の意義
- 日本の演劇教育における言語と身体の関係性
- 「居場所」の変遷とその今日的意義
- パウロ・フレイレにおける「対話」と「意識化」
- アール・ブリュットの人間学的意義
2020年度
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2019年度
- 「ガストロノミー」の視点から見た日本の学校給食に関する考察
博士前期・後期課程(修士課程)
〈修士論文の目標〉 (〈卒業論文の目標〉に加えて) ①一次資料を適切に参照することができる(思想研究では、日本語、英語、ドイツ語で原典が書かれた思想から主題を選ぶ。フィールド研究では、自分が実際に入っているがゆえに「省察的」な考察ができるフィールドから主題を選ぶ)。 ②現代日本の教育(学)にかかわる社会的ないしは学術的な文脈を自分でつくることができる。 ③「論理的」に議論すること・書くことがどういうことなのかが理解できる(実際にできれば、よりいっそう素晴らしい)。
※ 大学院受験を希望する人は、「お問い合わせ」のページから教員に事前に連絡をして、ご相談ください。
〈博士論文の目標〉は、〈修士論文の目標〉をバージョンアップしたものになります。例えば、〈修士論文の目標〉の②については、教育(学)にかかわる国際的ないしは学際的な文脈を自分でつくることができる、となります。同じく③については、「論理的」に議論すること・書くことができる、となります。
※学会発表をするためには、発表を希望する学会の(少なくとも前年度の)年次大会に必ず参加し、学会発表とはどのようなものかを知っておくこと。
※学会誌に投稿するには、関連する先行研究だけではなく、投稿する学会誌に掲載されている投稿論文を精読しておくこと。
※ 大学院受験を希望する人は、「お問い合わせ」のページから教員に事前に連絡をして、ご相談ください。
2023年度
- ジョン・デューイにおける探究とデモクラシー:日常において探究することの意味と条件の教育人間学的考察
- 夜間中学生の学ぶよろこびに関する一考察:守口市立さつき学園夜間学級でのインタビュー調査に基づいて
- 自らの言葉で自らを公に表現することの人間形成的意味:永山則夫の自伝的小説を手掛かりに
2022年度
- アイデンティティ形成における退行(regression)について:青年期および前成人期におけるアイデンティティの再形成と孤立(isolation)に着目して
現在の大学院生の研究
- ハンナ=アーレントの「複数性」について
- 世阿弥の〈堺〉について
- キャリア教育について
- 今日のアイデンティティ形成のあり様について
- 戦災の記憶の継承について